ペーター=ルーカス・グラーフ フルートリサイタル 

2004.3.3(水)
伏見電気文化会館
・ ザ・コンサートホール

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こんなに感動したのは久しぶり?いや始めてかもしれません。
75歳のフルーティストの偉大さに衝撃を受けました。
名古屋で演奏会は二十数年ぶりと言う事で、生演奏を聴くのはもちろん初めて!
誠実さが溢れる演奏でした。

最初の曲はバッハでした。
装飾の付け方は独特である意味面白かった。
あれは私が真似したって無理だろうと彼のオーラを感じた。

バッハで思ったのですが、ピアノ伴奏ってあのような弾き方も有りなんですね。
私は以前この曲の伴奏をやるとき、「もっと硬く!チェンバロ風に!」と言われて
すごく苦労して悩んで伴奏しました。
でも今回のは、割と軽く弾いていたように思いましたが。。。
どうなのかな?? 
 
さて、グラーフ氏に戻りまして。。。
ウンディーネもすごかったです。
楽譜を買ってそのままになっているのでこれを機会に今年こそ、日に当たることが出来るか???

とにかくおどろくのは息が続く続く、まだ続く。。
シランクスの最後の音なんて一体何秒伸びていたか?
彼が吹き終わってフルートを下ろすまで、つばも飲み込めないほどの緊張感が聴衆にも伝わってくる。
そして、一曲終るたびに深いため息。そして心臓はバクバク。

正直言って、プーランクやハンガリー田園はひょっとしたら私の方がスピードは出るかもしれない。
(生意気にごめんなさい)
でも、全然違う(当たり前)やっている事に何一つ無駄がない。
(速度を競いたいのなら、音楽ではなくスポーツをやりなさい!そう、スキーをやりなさい。って翌日のグラーフ氏公開講座より)
フルーティストとしてでなく、指揮者としての彼の偉大さも演奏に感じられる。

アンコールもなんと6曲も!!!何たるパワーだ!!
ゴーベールの演奏は本当に素晴らしかった。
マドリガル簡単な曲とバカに出来ない。

勝手にグラーフは、バロック・古典が得意なんて思い込んでいたけれど、とんだ勘違いですね。
音色が本当にきれいでした。
帰りには、CD購入者サイン会で握手してパワーを頂いてきました。

感激です。
本当にすばらしい演奏をありがとうございました。
何故に〇〇社の音楽人名辞典には、名前が載っていないのか?
グラーフこそ、単なるフルーティストに留まらない真の音楽家として、偉大な存在だと私は思います!!




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(第1部)

J.S.バッハ / ソナタ変ホ長調BWV1031
S.カルク=エーレクト / フルートソロのための熱情ソナタ
カール・ライネッケ / フルートとピアノのためのソナタ 「ウンディーネ」op.167

(第2部)

フランシス・プーランク / フルートとピアノのためのソナタ
ジャック・イベール / フルートソロのための小品
F.ドップラー / ハンガリー田園幻想曲

(アンコール)
ヴィドール / スケルツォ
ゴーベール / マドリガル
J.S.バッハ / ソナタハ長調BWV1033より 第2楽章
ドビュッシー / シリンクス
J.S.バッハ / ソナタロ短調BWV1030より 第2楽章
ラヴェル / ハバネラ形式の小品